他人のために頑張ってるんだって思うこと自体、ラクな生き方してるって言うのよ

さて、衝撃的なタイトルである。
このセリフはエヴァンゲリオンTVアニメ版の何話だったかでアスカがシンジに言い放ったセリフである。このセリフを初めて聞いた中学の頃以来、頭から離れずにずっと覚えている。
「他人のために頑張ってるんだって思うこと自体、ラクな生き方してるって言うのよ」
とはどういうことか、私なりに考えてみた。
「他人のために頑張る」ことは決してラクな生き方ではない。しかし「他人のために頑張ってるんだって思う」ことで自我を保っているのならそれは他人のために生きているという訳では無い、たしかに自分のために生きるよりはラクな生き方と言えよう。エヴァは他人に自分の存在を認めてもらいたいシンジの物語である。他人に存在を認めて欲しい、つまり承認欲求が強い人にとって、「他人のために頑張る」ことはもっとも他人からフィードバックを受けやすく、自己肯定感を得やすいのだと思う。それをアスカは「ラクな生き方」と言い放っているのである。自分に向き合えと、他人のためではなく、自分のために生きろと。
しかし、「他人のために頑張るんだって思うことでのラクな生き方」自体を否定している訳では無い。そこの所は間違えないでいただきたい。「他人のために頑張る」ことはとてもいいことである。それで自分のためにでは無く他人のために頑張っている自分が苦しくならないためのしっかりした自分の軸を持っていれば、「他人のために頑張る」ことは社会的地位、自己満足を得ることが出来てとてもいいことである。
私も暫くは自分のために頑張って、それで自分の軸がしっかり出来たら他人のために頑張りたいと思う、ラクに生きるために。